もしもの時に役立つ!災害時の情報源、テレビ・ラジオ・ネットの賢い使い分け
災害はいつ起こるか分かりません。大きな地震や台風などが起きたとき、私たちにとって何よりも大切になるのが「正確で必要な情報」です。では、テレビやインターネット、ラジオといったいつもの情報源は、もしもの時にどのように役立ち、どのように使い分ければ良いのでしょうか。
この記事では、災害発生時に知っておきたいメディアごとの情報特性と、安心につながる情報の集め方について分かりやすく解説します。
災害発生直後の「速報」はテレビ・ラジオ・ネットで
災害が起きた直後は、まず状況を早く知ることが重要です。
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テレビ:
- 広い範囲に、映像で被害状況や避難指示、気象情報などを伝えてくれます。視覚的に状況を把握しやすいのが大きな特徴です。
- 特に大きな災害時には、通常の番組を中断して特別なニュース番組に切り替わることが多く、最新の情報が次々と入ってきます。
- ただし、停電してしまうと見られなくなるのが課題です。
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ラジオ:
- テレビと同様に速報性が高く、停電時でも電池式の携帯ラジオがあれば情報を得られます。
- テレビよりも地域に密着したきめ細やかな情報を伝えることが得意です。避難所の開設情報や、地域の被害状況など、ピンポイントの情報が役立ちます。
- 聴覚からの情報なので、他の作業をしながらでも情報を得やすいというメリットもあります。
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インターネット(スマートフォン):
- ニュースサイトのプッシュ通知やニュースアプリで、いち早く速報を受け取ることができます。
- SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)では、現場にいる方々からのリアルタイムな情報や写真、動画が多数投稿されます。ただし、後述するように不確かな情報が混じる可能性もあります。
- 公的機関(気象庁、自治体など)のウェブサイトやSNSアカウントからは、公式な情報や指示が出されます。
- スマートフォンの通信網が混雑したり、充電が切れたりすると情報収集が難しくなる場合があります。
【ポイント】 災害直後は、テレビやラジオで全体的な状況を把握しつつ、スマートフォンで最新の速報や公的機関からの情報を確認するなど、複数のメディアを「組み合わせて」使うのがおすすめです。特にラジオは、停電時にも役立つので、日頃から準備しておくと安心です。
数時間後から数日後の「必要な情報」は?
災害が落ち着いてきたら、今度は「自分にとって必要な情報」をより詳しく集める段階になります。
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テレビ:
- 引き続き被害状況や復旧の見込み、ライフライン(電気、ガス、水道)の状況など、広範囲の情報を得るのに役立ちます。
- 行政からの重要なお知らせや、生活に役立つ情報(炊き出し情報、支援物資の配布など)も繰り返し放送されます。
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インターネット(スマートフォン):
- ニュースサイトで状況をより詳細に知ったり、自治体のウェブサイトで正確な避難所情報や各種手続きに関する情報を確認したりできます。
- SNSは、家族や友人との安否確認に使ったり、特定の地域や避難所の状況に関する情報を集めたりするのに便利です。ただし、正確な情報を見分ける力がより一層重要になります。
- 「災害用伝言ダイヤル(171)」や携帯電話会社の提供する災害用伝言板サービスなど、安否確認のためのサービスも活用できます。これらはインターネットを通じて利用できる場合が多いです。
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新聞:
- 災害発生直後の速報には向いていませんが、発生から時間が経ってから発行される新聞は、災害の全体像や経緯、被害の詳細などが整理されて掲載されます。
- 記者が現地で取材した信頼性の高い情報や、専門家による解説を読むことができます。記録としても残るので、後から振り返ることも可能です。
- 停電や通信障害に左右されずに読むことができます。
【ポイント】 時間が経つにつれて、テレビやネットで広く全体像や生活情報を追いながら、必要に応じて自治体の公式サイトでピンポイントな情報を確認するなど、情報を「選んで」集める意識が大切です。
災害時の情報で特に注意したいこと
- 情報の「正確さ」を確認する: 特にインターネットやSNSでは、不確かな情報やデマが拡散することがあります。「〇〇らしい」「〜という情報がある」といった断定できない情報や、感情的な情報には注意が必要です。
- 情報源を確認する: その情報がどこから出ているのか(誰が発信しているのか)を確認しましょう。気象庁、自治体、警察、消防などの公的機関や、信頼できる大手メディアからの情報は、比較的信頼性が高いと言えます。
- 一つの情報源だけを鵜呑みにしない: 複数のメディアや情報源で同じ情報を確認し、比較することが大切です。
まとめ:日頃からの備えが安心につながる
災害発生時、テレビ、ラジオ、インターネット(スマートフォン)はそれぞれ異なる強みを持っています。
- テレビ: 広範囲の映像と速報、全体状況の把握。
- ラジオ: 停電時も有効、地域密着情報、他の作業をしながらの情報収集。
- インターネット: 最速の速報、多様な情報源、公的機関の情報、安否確認。
これらのメディアの特性を知り、状況に応じて使い分けることが、混乱を避け、必要な情報を得るための鍵となります。
また、普段から * 自宅や避難所に近いラジオ局の周波数を確認しておく * スマートフォンの充電器やモバイルバッテリーを用意しておく * 自治体の防災情報サイトや公式SNSアカウントを確認しておく
といった備えをしておくことも、もしもの時の安心につながります。
情報過多な時代だからこそ、災害時には特に、冷静に、複数の情報源を頼りながら、自分と大切な人の安全を守るための正確な情報を集めていきましょう。