クリックする前にちょっと待って!ネット記事の上手な選び方・読み方
インターネット、特にスマートフォンの普及により、私たちはいつでもどこでも簡単にニュース記事を読むことができるようになりました。気になるニュースがあれば、すぐに検索して関連する記事にたどり着けますし、ニュースアプリを使えば最新情報が次々と届けられます。ほとんどの記事を無料で読めるのも大きな魅力でしょう。
その一方で、「たくさんの記事がありすぎて、どれを読めばいいか分からない」「書いてあることが正しいのか心配」「広告みたいな記事とニュース記事の見分けがつかない」といった不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。インターネット上の情報は非常に多様で、玉石混交とも言われるため、その扱いに戸惑うことがあるのは自然なことです。
この記事では、インターネット上のニュース記事の特性を知り、情報過多の時代でも自分にとって本当に必要な、信頼できる情報を賢く手に入れるための「選び方」と「読み方」のヒントをご紹介します。
インターネット記事の「得意」と「ちょっと苦手なこと」
インターネット上のニュース記事には、他のメディアにはない素晴らしい「得意」な点がたくさんあります。
インターネット記事の得意なこと(メリット)
- 速報性: 何か出来事が起こった際、インターネットは最も早く情報を伝えます。テレビの速報テロップのように、すぐに概要を知ることができます。
- 情報量の多さと多様性: ニュースサイトやアプリだけでなく、個人のブログや専門家のSNSなど、様々な発信源から情報が集まります。一つの出来事について、複数の視点や詳細な解説を見つけやすいのが特徴です。
- 手軽さ: スマートフォンさえあれば、通勤途中や家事の合間など、場所や時間を選ばずに最新情報にアクセスできます。ほとんどの記事が無料で読めるのも、大きな利点です。
- 動画や写真、リンク: 記事に関連する動画や写真が豊富に掲載されていることが多く、視覚的に理解しやすい場合があります。また、関連情報や元になった情報源へのリンクが貼られていることもあります。
インターネット記事のちょっと苦手なこと(デメリット・注意点)
- 情報の信頼性にばらつきがある: 誰でも情報を発信できるため、専門家ではない個人の意見や、根拠の不明確な情報がニュース記事のように見えることがあります。記事の信頼性は、発信元によって大きく異なります。
- 見出しや広告に注意が必要: 読者の関心を引くために、内容よりも刺激的な見出しがつけられていることがあります。また、記事の間に広告が紛れていたり、広告(PR記事)であるにも関わらず分かりにくくなっているケースも見られます。
- 情報が断片的になりやすい: 短くまとめられた記事が多く、出来事の背景や全体像を把握しにくい場合があります。次々と新しい情報が出てくるため、一つのテーマについて深く掘り下げて考えにくい側面もあります。
- 古い情報や誤情報が残り続ける: 一度インターネット上に公開された情報は、訂正されないまま残ってしまうことがあります。古い情報が最新情報のように拡散されるリスクもあります。
クリックする前に!賢いネット記事の「選び方」
インターネットの特性を踏まえて、数ある記事の中から自分に必要な情報を見つけるための選び方のヒントをご紹介します。
- 「誰が書いた情報か」を気にかけてみる: ニュースサイトの名前、記事を書いた記者名(もしあれば)、あるいはブログであれば運営者情報などを確認してみましょう。よく知られた大手メディアや、専門分野で信頼されている組織や個人の情報は、比較的信頼性が高いと考えられます。
- 見出しだけで判断しない: 魅力的な見出しに惹かれてクリックするのは自然なことですが、「もしかしたら、見出しほど大した内容じゃないかも」「記事を開かせるための大げさな見出しかな?」と少し立ち止まって考えてみるのも良い習慣です。
- 興味のあるテーマは複数の記事を比べてみる: 一つの記事だけを読むのではなく、同じテーマについて書かれた別の記事もいくつか読んでみましょう。複数の情報源を見ることで、多角的な視点が得られたり、情報の偏りに気づけたりすることがあります。
読んでる途中で!賢いネット記事の「読み方」
記事を選んでクリックした後も、気をつけたいポイントがあります。
- 記事がいつ書かれたものかを確認する: 記事の公開日や更新日をチェックしましょう。特に価格や制度など、時間の経過と共に変わる可能性のある情報は、最新のものであるかどうかが重要です。
- 情報源や根拠が示されているかを見る: 「〜という調査で」「〇〇省が発表したデータによると」「関係者への取材で明らかになった」など、情報がどこから来ているのか(情報源)や、その根拠が具体的に書かれているかを確認しましょう。情報源が曖昧な記事は、注意して読む必要があります。
- 「事実」と「意見・感想」を見分ける: 記事の中には、起きた出来事やデータといった「事実」だけでなく、筆者の「意見」や「感想」が含まれています。どちらが書かれているのか意識しながら読むことで、情報に振り回されにくくなります。
- 「これは広告かな?」と立ち止まる: 記事の途中に「PR」「広告」「Sponsored」といった表示がないか確認しましょう。これらの表示があるものは、企業の宣伝を目的とした広告記事(ネイティブ広告)です。一般的なニュース記事とは目的が異なるため、内容を鵜呑みにせず、参考程度に留めるのが賢明です。
- 分からない言葉は調べてみる: 読んでいて意味が分からない専門用語や固有名詞が出てきたら、そのままにせず検索してみましょう。少し手間がかかるかもしれませんが、記事の内容をより正確に理解するために役立ちます。
他のメディアと組み合わせてもっと賢く!
インターネットの記事は速報性や多様性に優れていますが、新聞はじっくり読むことで情報の背景や関連性を深く理解するのに役立ちますし、テレビは映像で出来事の状況を分かりやすく伝えてくれます。
例えば、
- 最新の出来事の「概要」を素早く知りたいときは、インターネットの速報や見出しをチェック。
- その出来事の「詳細」や「背景」を知りたいときは、新聞の記事や解説、テレビの特集を見る。
- 特定のテーマについて「様々な意見」を知りたいときは、インターネットで複数のサイトの記事を探してみる。
というように、それぞれのメディアの得意なところを組み合わせて使うことで、よりバランス良く、深く情報を得ることができます。インターネットで見つけた気になるニュースについて、新聞で関連する記事がないか探してみたり、テレビのニュース番組でどのように伝えられているか見てみたりするのも良いでしょう。
まとめ:情報過多の時代を賢く泳ぐために
インターネット上のニュース記事は、私たちの情報収集に欠かせないツールです。無料ですぐに大量の情報に触れられる便利さは、ぜひ活用したいところです。
しかし同時に、情報の信頼性や質にはばらつきがあることも理解しておく必要があります。ご紹介した「選び方」や「読み方」のヒントを少し意識するだけで、より確かな情報にたどり着きやすくなるはずです。
情報過多な時代だからこそ、「これは本当かな?」「他の意見もあるかな?」と少し立ち止まって確認する習慣を持つことが、あなた自身の「メディアを読み解く力」を高め、日々の暮らしに役立つ情報を賢く手に入れるための大切な一歩になります。この記事が、皆さんのインターネット記事との上手な付き合い方の一助となれば幸いです。