今日のニュース、誰が作ったの？メディアの発信者を知って賢く読む方法
ニュースは「誰が」伝えているか意識していますか？
私たちは毎日、テレビ、新聞、スマートフォンなど、さまざまなメディアから多くのニュースを受け取っています。同じ出来事のニュースでも、「あれ？テレビで見た印象と新聞で読んだ印象が違うな」と感じたり、「ネットで見かけた情報、本当かな？」と不安になったりすることはありませんか。
情報があふれる現代では、一つのニュースでも伝え方が多様です。なぜそうなるのかを知るヒントの一つに、「誰が、何のためにその情報を伝えているのか」という視点があります。つまり、ニュースの発信者がどのような立場で、どのような目的を持っているかを知るということです。
この視点を持つことで、ニュースをより深く理解し、自分にとって本当に必要な情報を選び取る力が身につきます。ここでは、主要なメディアであるテレビ、新聞、インターネットについて、それぞれの「発信者」に焦点を当て、賢く情報を読み解くためのヒントをお伝えします。
テレビのニュース：映像と音声で伝える「テレビ局」という組織
テレビのニュースは、主に「テレビ局」という大きな組織によって作られています。テレビ局には、取材をする記者やカメラマン、原稿を書く人、映像を編集する人、番組構成を考える人など、たくさんの専門家が働いています。
テレビニュースの発信者の特徴
- 組織としての発信: 一人の意見ではなく、テレビ局全体の編集方針に基づいて情報が伝えられます。公共性、営利、視聴率など、様々な要因がニュースの選択や伝え方に影響を与えることがあります。
- 速報性と臨場感: 事件や事故、災害などの速報に強く、映像と音声によって現場の状況や雰囲気をリアルに伝えます。これにより、視聴者はニュースを自分事として捉えやすくなります。
- 限られた時間: 番組には時間が決まっているため、ニュースを詳しく解説する時間が限られる場合があります。重要なポイントを絞って伝えたり、分かりやすさを重視したりすることがあります。
テレビニュースを読み解くヒント
- 映像や音声が伝える印象と、解説内容を分けて考えてみましょう。
- 同じニュースでも、異なるテレビ局の番組を見比べてみると、伝え方や取り上げる側面に違いがあることに気づくことがあります。
- ニュース番組全体の構成や、特定のニュースにかけられる時間から、そのニュースの重要度や伝えたい意図を推測することもできます。
新聞のニュース：詳細と論調を伝える「新聞社」
新聞のニュースは、「新聞社」という組織によって作られます。新聞社にも多くの記者や編集者がおり、取材した情報を文章にまとめ、紙面に配置しています。
新聞ニュースの発信者の特徴
- 組織としての発信と「論調」: 新聞社ごとに独自の編集方針や考え方（これを「論調」と呼ぶことがあります）を持っている場合があります。社説などにその考え方が明確に表れることがあります。
- 詳細な情報: 限られた時間のあるテレビと異なり、新聞はじっくりと情報を伝えることができます。記事の背景、関連情報、関係者のコメントなどが詳しく書かれています。
- 記録性: 一度発行されると形として残るため、後から見返すのに適しています。
新聞ニュースを読み解くヒント
- 記事の「見出し」だけでなく、本文をじっくりと読むことで、詳細な情報や背景を理解できます。
- 同じ新聞社でも、記者の署名が入っている記事（署名記事）や、社説など、発信者の意図がより強く反映されている部分があります。
- 複数の新聞社の記事を読み比べることで、ニュースに対する異なる視点や論調に触れることができます。
インターネットのニュース：多様な「作り手」と情報
インターネットには、テレビ局や新聞社が運営するニュースサイト、ニュースアプリだけでなく、様々な企業や個人が発信する情報があふれています。
インターネット情報の「作り手」の特徴
- 発信者の多様性: 大手メディア、専門企業、個人ブロガー、SNSユーザーなど、誰でも情報を発信できる可能性があります。この多様性が、様々な視点や最新情報を得られるメリットである一方、情報の信頼性を見極める難しさにもつながります。
- 速報性と更新性: 情報がすぐに発信・更新されるため、最新の状況を知るのに非常に役立ちます。
- 情報の玉石混交: 信頼性の高い情報から、不確かな情報、個人の意見、広告、さらには意図的なデマまで、あらゆる情報が混在しています。
インターネット情報を読み解くヒント
- 情報源を確認する習慣をつけましょう: 見たニュースが、信頼できる報道機関のサイトか、個人のブログか、企業の広告か、SNSの投稿かなど、発信元を必ず確認しましょう。サイト名や運営者情報が参考になります。
- 「公式情報」を探す: 知りたい情報が、国や地方自治体、企業などが公式に発表している情報かどうかを確認しましょう。
- 同じ情報を複数のソースで確認する: 特に重要な情報や、気になる情報については、一つだけでなく複数の異なる情報源で確認する習慣を持つことが大切です。テレビや新聞で報道されているか確認することも有効です。
まとめ：発信者を知ることで、ニュースはもっと面白く、信頼できるものに
テレビ、新聞、インターネット。それぞれのメディアには、それぞれの「作り手」がいて、伝え方や目的も異なります。これらの違いを知ることは、情報の善し悪しを判断するだけでなく、ニュースの背景にある様々な視点や考え方に触れることでもあります。
情報過多な時代だからこそ、「誰が、何のために」という視点を少し意識してみてください。そうすることで、目の前の情報がどのように生まれ、なぜそのように伝えられているのかが見えてきます。これは、情報を鵜呑みにせず、自分自身で考え、判断するための大切な第一歩です。
日々の情報収集が、単に事実を知るだけでなく、世の中を多角的に理解し、自身の暮らしを豊かにするための時間となるよう、少しずつメディアとの賢い付き合い方を見つけていきましょう。